HPV感染症とは

HPV感染症の概要

HPV感染症(Human Papillomavirus Infection)
HPVは、ヒトパピローマウイルスの感染で、感染部にイボを発症させる性病です。

必ずイボを発症させるわけでもなく、無症状でも細胞の中でウィルスが存在し続ける悪性のケースもあります。
感染する場所は、生殖器だけではなく、体中の皮膚や粘膜に感染し、 感染後、ほとんどの場合は免疫力により、数ヶ月~3年以内でウィルスは消滅しますが、感染者の10%は消滅せず、細胞の中に潜みます。

感染後、良性の場合は、尖圭コンジローマを発症し、悪性の場合は、ボーエン様丘疹症を発症します。
この悪性の場合に限り、子宮頸癌や口腔癌、舌癌、喉頭癌、肛門癌を発症させる最大の原因となります。
昨今副作用で問題となっている子宮頸がんワクチンは、このHPVの感染を予防するワクチンです。

HPVに感染して発症するイボは様々ですが、ここでは性交渉により感染するものだけに絞りご紹介しています。

症状

■良性の場合
感染後3週間~6ヶ月程度で、性器に尖圭コンジローマが出来る。
尖圭コンジローマの初期は、小さな突起物が性器の感染部に現れ、色は白またはピンクで、次第に育ち、しかもあちこちに出来る。
大きさは、直径1~3ミリ前後で、ニワトリのトサカやカリフラワーのような小さなぶつぶつの集合体のような形状になる。

尖圭コンジローマの画像(著しく気分を害する画像を含んでいますので、閲覧にはご注意ください)

■悪性の場合
感染後3週間~6ヶ月程度で、性器にボーエン様丘疹症が出来る。
ボーエン様丘疹症は、尖圭コンジローマとは違い、色は褐色で黒っぽく、小さなぶつぶつの集合体ではなく、一つの塊が1~3ミリ前後でのっぺりとした形状のイボがあちこちに出来る。
HPVで悪性のものは、上記のボーエン様丘疹症が出来ることもあるが、全く無症状で進行するものもある。
そして、そのウィルスがいずれ子宮頸癌や口腔癌、舌癌、喉頭癌、肛門癌を発症させる最大の原因となる。

感染経路

皮膚や粘膜との直接的または間接的な接触により感染する。
体液(唾液、血液、生殖器からの分泌液等)では感染しない。

ボーエン様丘疹の画像(著しく気分を害する画像を含んでいますので、閲覧にはご注意ください)

感染確率

相手がキャリアなら100%感染するほど感染力が強い。
感染した90%の人は、体内の免疫力で、数ヶ月~3年以内でウィルスは消滅するが、10%の人は細胞の中に残る。
その中の10~20%は悪性で、さらにその悪性の中の10%が、がんを発症するリスクがある。
具体的には、感染者1000人の内、900人はHPVが消滅し100人がキャリアとなり、その内10~20人が悪性のまま持続し、1~2人ががんになる程度。
感染者が非常に多い性感染症である。

このHPVが原因で毎年約10,000人が子宮頸がんを発症していることから、このウィルスのキャリアの数がいかに多いかお分かりいただけると思う。

検査方法

子宮頚部から綿棒で細胞を採取して検査する。
この検査する際の受診科は、婦人科が良い。
この検査を実施するのは主に女性で、子宮頸がんの予防の為に行うものである。
HPV検査は、将来の子宮がん発症のリスクを予測することが可能となるので、女性にはお勧めの検査であるが、殆どの性交体験者はこのHPVに感染することになるのであまり神経質にならなくても良い。

悪性ウィルスが存在するかどうかを定期的に検査するとともに、子宮頸がんの発症に注意する。

このHPV感染検査は、自分で子宮頚部の細胞を綿棒で採取し検査することも出来る仕組みがあり、その場で判定が出来ないものの、後日Web上でHPVの感染確認が出来る為、その手軽さや匿名性が受け、昨今ではその検査数が伸びてきている。

性病検査に関する知識 >

感染してから検査が可能になるまでの日数

殆どの方はウィルス自体が数ヶ月~数年で消滅する為、性交渉の度に検査を行う必要性は無い。
一般に、相手が複数変わる性交渉体験者は、1年毎に1回程度、そうでない場合は数年に1回程度の検査で十分だと思われる。
但し、子宮頸がんの検査は毎年行うことが望ましい。

感染していたら

感染していても慌てる必要はなく、治療の必要もない。
陽性でも、それが良性と悪性に別れ、悪性のみ要経過観察となる。
悪性が直ちにがんになることはないが、ウィルスが消滅するかそのままの状態で持続するか、細胞が変異し始め、悪い兆候を示すかを定期的に検査する必要がある。